超音波厚さ計の測定方法

 

超音波厚さ計での厚さ測定では5つの代表的な測定方法があります。


①1回測定法

その名の通り、測定箇所に探触子を一度だけあて、測定します。

パイプの肉厚を計測する場合、探触子の方向が重要です。

パイプの径が10 cmより太い場合、ギャップの方向をパイプの長軸方向に対して垂直にする必要があります。

腐食・減肉の程度が小さい測定物に最適です。

 

②2回測定法(下図参照)

細いパイプについては1回はギャップをパイプの長軸方向に対して垂直に、もう1回は平行にして測ります。

2つの計測値のうち小さい方をその点の厚さとします。

パイプ以外の測定でも、1回目の測定から探触子を90度回転させ、もう一度同じ箇所を測定します。

1回測定法に比べ正確に減肉を把握することができるため、腐食の進行が想定される場所での測定に最適です。

超音波厚さ計 2点測定法

 

③多点測定法(下図参照)

測定点を中心とする円状の内側を、多数回測定する方法です。最小値を測定値として採用します。

測定範囲とする円(楕円)の大きさは、腐食・減肉の状況により判断します。

測定範囲の指示がない場合は測定点を中心とする直径30mmの円内とします。

局部腐食が進行している箇所での測定に有効です。

多点測定法-1

 

④精密測定法(下図参照)

測定範囲の指示がない場合は、測定点を中心に

50×50mmの範囲を10mm間隔の格子状に分割し、交点を測定します。

測定結果は等高線などで平面表示するか、減肉の著しい箇所の厚さと位置を記録します。

腐食の著しい進行が予想されている箇所で、減肉の分布状況を確認するために行う測定方法です。

精密測定法

 

⑤連続測定法(スキャン)(下図参照)

測定線上を5mm間隔(指示の無い場合)で測定するか、もしくは、連続的に測定(スキャン)を行います。

ギャップの向きは測定線と直角に保ちます。

事前に定めた厚さ以下の測定値とその位置を記録するか、または測定線に沿う厚さ変化を断面表示します。

厚さの変化を確認するために行い、測定断面の厚さの変化から裏面の状況を推測する場合などに適用します。

連続測定法

 

AD-3255なら、スキャンモードも搭載されているため、

連続測定法を簡単に行うことができ、広い範囲内の厚さが測定できます。

 

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