株式会社エー・アンド・デイ A&D Company, Limited

放射温度計やサーモグラフィカメラによるアスファルト舗装時の温度測定

作成者: Riho Kato|2023/03/10 6:57:55

品質確保には各工程での温度管理が欠かせません。

土木建築業界では道路工事の際に品質・耐久性向上のため、温度管理が必要とされています。

 

 アスファルト舗装時の温度管理の目安

国土交通省の『土木工事共通仕様書』によると、

「加熱アスファルト安定処理混合物を敷均したときの混合物の温度は110℃以上」でなければなりません。

これには、路面の平たん性を確保するという目的があります。

 

また、同書に「舗装表面温度が50℃以下になってから交通開放を行わなければならない。」と示されています。

これは、交通開放直後の初期わだち掘れなどの舗装初期変化を防止するためです。

 

敷均し後に行う転圧作業も目安となる温度が設定されています。

 

 

国土交通省の『土木工事共通仕様書』によると、『品質管理基準及び規格値』において、

「土木工事の施工に当たっては、設計図書や特記仕様書並びに土木工事共通仕様書、

また各種指針・要網に明示されている材料の形状寸法、品質、規格等を十分満足し、

かつ経済的に作り出す為の管理を行う必要がある。」とされており、

初期転圧前のアスファルト混合物が110℃以上であるかどうか、

1日4回温度測定を行い、記録する必要があるとされています。

 

 温度測定の方法

アスファルトの温度測定には様々な方法がありますが、

一番手軽なのは、サーモグラフィカメラや放射温度計による温度測定です。

 

どちらもアスファルトの表面温度を非接触で測定することができます。

 

 

 サーモグラフィカメラでの測定

サーモグラフィカメラでは、広範囲の温度分布を熱画像で確認することが可能です。

周囲との温度差が視覚的に分かりやすいため、温度異常箇所の特定にも役立ちます。

 

 

 

 放射温度計での測定

放射温度計は、測りたい場所の温度をピンポイントで測定でき、数値として確認することが可能です。

AD-5618(放射温度計)なら本体に測定データの保存ができ、

AD-5634(放射温度計)ならMicro SDHCカードに測定データの保存ができます。

 

また、放射温度計の一部は熱電対センサを使用することもできるため、接触式で温度測定することも可能です。

締固める前にはシース型のセンサ、舗装完了後は表面温度が測定できるセンサを使用することをお勧めします。

 

 

参考文献

国土交通省関東地方整備局:土木工事共通仕様書(第3編 土木工事共通編)

https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000826516.pdf 

国土交通省関東地方整備局:品質管理基準及び規格値

https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000826533.pdf