株式会社エー・アンド・デイ A&D Company, Limited

放射温度計での測定時の注意(外乱の対策)

作成者: Riho Kato|2022/09/12 7:28:01

 

放射温度計での温度測定時には、

正しい放射率の設定やD:S比・最小測定範囲の考慮などに加えて、

周囲熱源からの外乱の対策も重要になります。


放射温度計では、正しい放射率を設定しないと、正確な温度測定ができません。

(参考:A&D電子計測機器公式ブログ『放射率とは』 https://blog.aandd.co.jp/sp/ad-5635/housyaritsu

 

しかし、正しく放射率を設定していたとしても、測定対象物の周囲に高温の物質がある場合は注意が必要です。

高温の物質から放射される赤外線が測定対象物の表面で反射して、

測定対象物からの放射に加算されて放射温度計に入射されるため、

実際の温度よりも高めに表示されてしまいます。

 

このように本来の温度測定に関係のない赤外線を「外乱光」と言います。

外乱になる物質の温度が高い場合や、測定対象物の放射率が低い場合

外乱光の影響を受けやすくなり、測定誤差が大きくなります。(下図参照)

 

 

 

外乱光の対策には、以下の4つの方法があります。

①外乱の原因が白熱電球等の照明光にある場合、温度の低い蛍光灯または水銀灯に変更します。

②太陽光が差し込む場合は、太陽光を遮光します。

③外乱の原因になる高温物質と測定対象物の間に遮蔽板を設置します。

④測定対象物の放射率が低い場合、黒体塗料や黒体テープを用いて放射率を高くします。