加熱調理後すぐに提供しない食品の保管はどうすればよいのでしょうか?
HACCPの概念に基づいた『大量調理施設衛生管理マニュアル』では、
「調理後直ちに提供される食品以外の食品は病原菌の増殖を抑制するために、
10℃以下又は65℃以上で管理することが必要である」と示されています。
10℃~60℃の間は一般的に「危険温度帯」と呼ばれ、細菌が増殖しやすくなるためです。
また、細菌の中には、加熱をしても死なない細菌がいるため、
調理時にしっかり加熱をしても、細菌が完全に死滅するとは限りません。
さらに、加熱後冷ますのに時間をかけてしまうと、生き残った細菌が爆発的に増えてしまうため、
加熱調理後の食品はできるだけ早く冷却することが重要になってきます。
具体的な指標としては、「冷却機を用いたり、清潔な場所で衛生的な容器に小分けするなどして、
30分以内に中心温度を20℃付近(又60分以内に中心温度を10℃付近)まで下げるよう工夫すること。
この場合、冷却開始時刻、冷却終了時刻を記録すること。」とマニュアルでは示されています。
上記のように保管の際には、冷却機・保温機を使用する必要があり、
温度・時間を記録するには温度データロガーがおすすめです。
また、中心温度を測定・記録する場合には、中心温度計を使用することになります。
専用アプリやBluetooth対応でデータの管理ができるAD-5626(ぷろーぶろぐ)や、
99個の測定データをメモリーできるAD-5628が役立ちます。
参考文献
厚生労働省:大量調理施設衛生管理マニュアル
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000168026.pdf
厚生労働省:HACCPの考え方に基づく衛生管理のための手引書(小規模な一般飲食店事業者向け)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000179541.pdf
厚生労働省:HACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた食品衛生管理の手引き[飲食店編]
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000169562.pdf