HACCPにおける食品の中心温度測定

 

 

細菌は高温多湿の環境を好むため、細菌が原因となる食中毒は夏場に発生しやすくなります。

細菌による食中毒を予防するためには、

①細菌を食べ物に「つけない」

②食べ物に付着した細菌を「増やさない」

③食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける(殺菌する)」 

という3原則を守るべきです。

 

③の「殺菌」については、HACCPの概念に基づいた『大量調理施設衛生管理マニュアル』で、

調理過程における重要管理事項として、

「加熱調理食品については、中心部まで十分加熱し、食中毒菌等(ウイルスを含む。)を死滅させること。」

と示されているように、加熱による殺菌はHACCPにおいても重要な項目の1つです。

 

具体的な指標としては、加熱調理食品は、中心温度計などで3点以上の中心部を測定し、

全ての点が75℃で1分間以上(二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合は

85~90℃で90秒間以上)又はこれと同等以上まで加熱されていることを確認するとともに、

温度と時間の記録を行うこと、と規定されています。

 

上記のようにHACCPでは、計測はもちろん記録も重要になってきます。

専用アプリを使用して、本体に記録されたデータをスマートフォンに送信したり、

ワイヤレス通信でExcelに自動入力が可能な、Bluetooth対応中心温度計AD-5626(ぷろーぶろぐ)や、

99個の測定データをメモリーできるAD-5628もあり、中心温度の測定・記録に役立ちます。

防水仕様で水洗いできるものもあります。

また、揚げ物や煮物の中心温度を測る場合には長いセンサーが必要になることもあります。

熱電対温度計なら、別売のセンサーを組み合わせることで、用途に合わせた測定を行うことができます。

 

 

参考文献

厚生労働省:家庭での食中毒予防

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/01_00008.html 

厚生労働省:大量調理施設衛生管理マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000168026.pdf 

 

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