湿気が気になる夏季や、乾燥が気になる冬季に
湿度計を利用して湿度管理をされている方も多いと思います。
ただ湿度の認識が異なると、せっかくの湿度管理も意味を成していないかもしれません。
人が快適に過ごせる湿度は40~60%とされています。
下図は、都市別の2022年の月平均相対湿度のグラフです。
(図1)では、1年の大半が過湿状態にあり、また、都市による違いは特に無いように見られます。
しかし、実際には、冬季はもっと乾燥しているように感じられる方が多いのではないのでしょうか。
なぜ、このような乖離が生まれてしまうのか。答えは、湿度の定義の違いにあります。
一般的に天気予報などでよく聞く湿度とは、正式には相対湿度(RH)と言われます。
しかし、湿度管理をする際、考慮すべきなのは、相対湿度ではなく、絶対湿度(VH)と言われる湿度です。
※相対湿度と絶対湿度の違いについては、以下の記事にて説明しております。
(参考:A&D電子計測機器公式ブログ『インフルエンザ予防に有効とされる絶対湿度とは』
➔ https://blog.aandd.co.jp/sp/ad-5687/influenza-zettaishitsudo )
同じ相対湿度であったとしても、温度が異なると空気中の水蒸気量は異なります。
では、1年間の相対湿度と絶対湿度の差はどのくらいあるのでしょうか。
絶対湿度の観点からは、7g/㎥~12,13g/㎥が良いとされ、
それを下回る、または上回る際には、加湿・除湿を行うことが推奨されています。
下図は、都市別の2022年の月平均絶対湿度のグラフです。
(図2)では、1~3,12月の冬季は加湿が推奨されるレベルで乾燥しており、
6~9月の夏季は除湿が推奨されるレベルで湿潤状態になっていることが分かります。
また、那覇や札幌などでは、本島と気温の違いがあるため、絶対湿度も都市ごとに大きな違いが出ます。
(図1)と(図2)を見比べると、人の実際の感覚に近いのは(図2)の絶対湿度ではないでしょうか。
※[絶対湿度の計算式] VH = (飽和水蒸気量) × (相対湿度)
以上から、湿度管理には、絶対湿度を気にする必要があることが分かります。
当社のみはりん坊Wなら、絶対湿度を表示することが可能なため、湿度管理に役立ちます。
参考文献
気象庁:過去の気象データ・ダウンロード https://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/obsdl/index.php